未払い残業問題が発生すると

次の内容の請求を受けることになります。

○2年間の遡及払い

未払いの残業代は、過去2年間分が支払い対象になります。

○付加金

本人が請求した場合に、裁判所は付加金として未払い残業代のほか、これと同額の支払いを命ずることができます。最大で未払い残業代の2倍の支払いになります。

○遅延損害金

  • 会社に在籍しているとき・・・支払日翌日から年6%
  • 会社を退職してから・・・支払日翌日から年14.6%

※ただし、勤め先が非営利団体(法律上の「商人」にあたらない場合)は会社に在籍しているときの利率が5%になります。

チェック!次のケースは未払い残業に該当します

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残業事件簿





事件簿その1:日本マクドナルド事件 東京地裁 平成20年1月28日判決要旨

マクドナルドの店長が、残業代の支払いが発生しない、管理・監督者には該当しないとして、会社を訴え、2年間遡って、残業代を請求した事件です。判決の原文は次のようになっています。

  1. 被告は、原告に対し、503万4985円及び別紙時間外及び休日割増賃金一覧表「各月合計」欄記載の各金員に対する同表「支払日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
  2. 被告は、原告に対し、251万7493円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

未払いの残業代を請求した場合に、請求できるものは、未払いの残業代、裁判費用、慰謝料、遅延利息と付加金です。

裁判になるといろいろとお金がかかります。まず、弁護士費用などの裁判費用です。裁判費用は、マクドナルド裁判では、折半ということになりました。

さらに、マクドナルド裁判では、慰謝料も請求しましたが、結果として慰謝料は認められませんでした。慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償です。未払い残業代に関しては、付加金という罰金制度があるので、慰謝料より、この付加金の支払いで処理されることが通常です。

未払いの残業裁判で勝訴した場合は、利息が付与されます。本来支払わなければならなかった金銭を遅れて支払うことになるからです。

この利息は、次のようになっています。

  • 会社に在籍しているとき・・・支払日翌日から年6%
  • 会社を退職してから・・・支払日翌日から年14.6%
※ただし、勤め先が非営利団体(法律上の「商人」にあたらない場合)は会社に在席しているときの利率が5%になります。

又、付加金というものを請求することが出来ます。付加金は、未払いの実態が悪質である場合に裁判所が未払い賃金となっている金額の同額を限度して会社に支払いを命じることができる一種の罰金です。この付加金も支払期日以降は年5%の利息が付くことになります。


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事件簿その2:割増賃金の計算の基礎となる給与額を間違え1億円

上場企業(300名)の割増賃金の計算過程で、調整手当という名目の手当を除外して割増賃金を計算していました。もともと住宅手当として支給していたものを、地域に応じて一律の手当とし、名称も変えて支給していた経緯から、担当者の誤解もあり間違った処理をし続けていました。

結果として、再計算の上、全社員に支給することになりました。2年間分の調整手当を再計算し、利息も付与した結果、支払い総額は1億円近い金額になりました。

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事件簿その3:トヨタでも残業代のカイゼン QCサークル活動に残業代

トヨタ自動車は、従業員が勤務時間外にグループで取り組む「カイゼン」活動について、残業代を全額支払うことを決めました。いままで「自主的な活動」としてきたカイゼン活動を「業務」と認定するということです。

トヨタが「業務」と位置づけるのは、生産現場の従業員がグループ単位で改善提案に取り組むQCサークル活動です。国内の生産現場の全従業員約4万人の全員参加が原則で、現場の工夫を収益向上に結びつけるトヨタ躍進の原動力でした。 現在、トヨタはQC活動を支援する名目で月2時間まで残業代を支給していますが、2時間を超える分に関しては原則支払っていなません。しかし、 QCの活動成果が人事評価の対象にされている実態があり、社員やその家族から「事実上強制された業務」との声が上がっていました。

愛知県豊田市の堤工場の元従業員の男性が急死したのは過労死だったと認定した裁判において、判決は、QC活動の時間も「使用者の支配下における業務」と指摘。この男性は亡くなる直前の4カ月間で16時間をQC活動にあてていましたが、実際は土日や有給休暇もつぶして資料作成などでサービス残業をしていたということです。 自動車・電機など製造業を中心に国内で3万以上のQCサークルが活動しているとされています。業務なのか自主的な活動なのか線引きが不明確と指摘されていましたが、トヨタは明確に業務と位置づけます。

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