新型リスク 労災事故
過労で寝たきりになった元社員に1億8,700万円賠償命令!
長時間労働・精神疾患、自殺・・・会社は新しい労務リスクを負う時代になってきました。
労働災害における死傷者数は減少傾向を示すものの、うつ病等の精神障害や過重労動による脳・心臓疾患は増加しています。【疾病型の労働災害の増加】
そのことを背景として、労働基準監督署長等に対する行政取消訴訟と企業に対する損害賠償請求訴訟も急増しています。(被災者側の圧倒的勝訴)
| 労災裁判 | 過労死 行政取消訴訟 | 過労死 損害賠償請求訴訟 | 過労自殺 行政取消訴訟 | 過労自殺 損害賠償請求訴訟 |
|---|---|---|---|---|
| 訴訟件数 | 11 | 5 | 4 | 7 |
| 被災者側勝訴 | 10 | 5 | 4 | 5 |
| 認容率 | 91% | 100% | 100% | 71% |
疾病型の労働災害は、被災者側(本人・遺族)の企業に対する不信感が強く、企業の安全配慮義務が問われ、労災差額のリスクが表面化しやすいと言えるのです。
企業が負担する重い責任~労災差額リスク、刑事責任、立証責任負担
労災差額リスクは最大9,360万円にも及ぶ

上記例:被災労働者 35歳(被扶養者2名)年収500万円(給与360万円・賞与140万円)が死亡した場合
(※本人の過失割合は考慮しないものとする)
刑事罰もある
「業務上過失致死」となれば、刑法211条が該当します。業務に伴う危険性があり、通常よりも注意義務が課せられるので、普通の「過失」より重い責任となってしまいます。 → 5年以下の懲役もしくは禁固、または罰金50万円以下とされています。
民事責任は企業に立証責任がある
安全配慮義務に違反したときの債務不履行は、不法行為の場合と異なり、立証責任は債務者(加害者)の方にあります。
この安全配慮義務違反(債務不履行)においては、被災者側が安全配慮義務の成立を立証するなら、使用者側が『安全保証義務』を尽くしたことを反証しなければ、義務の履行がなかったものと推定されます。
労災事故の場合に、安全配慮義務違反による債務不履行責任が問われれば、まず使用者側において、これを履行したことを立証しなければなりません。
それができない場合は、義務違反が自分の責任によって起こったものでないことを立証しない限り、債務不履行責任が生じることになります。
高額裁判事例
過労で寝たきり 1億8,700万円賠償命令 鹿児島地裁 平成22年2月16日
鹿児島地裁は、約1億8,700万円の賠償と未払い残業代約730万円の支払いを命じた。判決理由で山之内紀行裁判長は、松元さんが自宅で倒れる前の6カ月の時間外労働が月平均約200時間だったと認定。「残業代を支払わずに時間外労働をさせ、過酷な労働環境を見て見ぬふりで放置した。安全配慮義務違反は明らかだ」と会社の責任を指摘した。
日本海庄や 過労死訴訟 7,860万円支払命令 平成22年5月25日
判決によると、吹上さんは2007年4月に入社後、石山駅店に配属されたが、同8月11日未明、自宅で就寝中に急性心不全で死亡。死亡まで4か月間の時間外労働は月平均100時間以上で、過労死の認定基準(月80時間超)を上回り、08年12月に労災認定された。京都地裁の大島真一裁判長は「生命、健康を損なわないよう配慮すべき義務を怠った」として、同社と4人に対し、約7,860万円の支払いを命じた。
原告側の弁護士によると、過労死を巡る訴訟で、役員の賠償責任を認めた司法判断は珍しいという。
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